レポート・現地情報

おしごと中、失礼します!

<矢吹町放射能測定センター>
仲間との絆を感じながら、お世話になった人々へ仕事を通して報いたい

―香西さんはどんなふうに避難されたのですか

富岡町に住んでいましたが、避難指示が出たので、楢葉町の実家にいる96歳になる母を連れていわきまで行きました。
その後、息子が白河にいることもあって、5月に白河市の総合運動公園仮設住宅に入りました。
それから、ハローワークでこの仕事を見つけて、12月から働いています。通勤は車で30分ぐらいでしょうか。

  
(左)土地改良区の事務所だったという、風情のある建物 (右)外観とは異なり、センター内部は、最新の設備が置かれている。

―おしごとの内容はどんなことをされるのですか

持ち込まれた品を受け取って測定まで、一通りすべてやります。
ここにある測定装置は、町で購入したものが2台、県から2台、国から1台と、合計5台です。町の人が持ち込んだ野菜などを受け付けて、容器に詰め、測定して、結果を文書にしてお渡ししています。

―どんなものが持ち込まれますか

米、水、野菜でしょうか。それと土地柄なのか干し大根などが多いですね。水が多いのにも驚きました。井戸水を使っているお宅がたくさんあるようです。そのほか、給食用の食品も検査しています。

―機械の使い方はどうやって習いましたか

最初は機械のメーカーから教わって始まったようです。私はみんなに教えてもらって。特に絵美さんには親切に教えてもらいました。


真新しい測定機材。右下の円筒形が測定器、それにパソコンとプリンタで
ワンセット。

―仕事をしていないときはどうでしたか

仕事をしないで仮設にいると気持ちが滅入りますし、主人と二人、先が見えないので不安でした。そうなると“困った話”しかしないですし。
今は主人も白河市で臨時雇用で働いています。

―この仕事についてよかったですか

ここはみんながいい人たちで、仕事以外でも、郵便局がどこにあるとか、矢吹町のこともいろいろ教えてもらってやっています。
双葉郡の人たちは「今まで交付金もらっていたのに」と言われたりして、心苦しい時期もありました。特に若い人たちの中には、気持ちに引っかかりがあって、気にしている人も多いです。だから、この仕事をしっかりやって、放射能のことでお役にたてたら、と思っています。


職員のみなさん。左から安田絵美さん・リーダーの横井暁(とおる)さん・
香西さん・西牧秀男さん。


―まだ仕事に就いていない人にアドバイスをお願いします

仕事を探すならハローワークに行けばいっぱいあります。仕事を選んでいたらきりがないので、思い切って始めることです。私もここに来るときに、パソコンが苦手なので少し迷いました。でも嫌がっていたら何もできないし。
町には帰れないし、どうしても先が見えないので、クヨクヨしがちです。だから割り切らないと前に進めない。引きこもっていたら始まりません。

―今後の暮らしについて、何か考えはおありですか

富岡の駅が原発からちょうど9km地点ぐらいですし、町にはもう戻れません。住んでいる人もいませんし。松村直登さんという人が一人だけ、抗議のため暮らしていますが…。それに先のことは自分だけでは計画が立てられない部分があります。3月で警戒区域が変わるようですから。字(あざ)単位で細かくエリア分けするらしいですが、それを見てから考えようかと思っています。

―ありがとうございました。最後に一言お願いします。

今回の地震で、県の支援は早かったので助かりました。白河市にもお世話になったし、いろいろな人に助けられました。もし今後何か災害があったら、今度は自分が…とつくづく思います。
 


難解な機械がずらりと並ぶ様子とは裏腹に、終始和やかな雰囲気があふれる仕事場。香西さんや仕事仲間の方々の優しい人柄とお互いの信頼感が伝わってきた取材でした。
 


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