レポート・現地情報

おしごと中、失礼します!

<四倉鬼越仮設住宅管理棟>
水道凍結の苦情から病人、独居老人のお世話まで、何でもこなすスーパー管理人

―以前はどんなお仕事をしていましたか
おが屑を売る仕事です。杉の間伐材などから作ったおが粉を、養豚業者へ卸すんです。相手はイオンなど大手の小売店と取引があったところなので、広野の山林から出たおが粉に放射線が含まれていたら大変ですから。それで休業状態になってしまい、10月からここで働いています。
湯本の借上げ住宅から40分ぐらいかけて通っています。
3月までは千葉にいたんです。4月に子供の学校もあるからと、借上げ住宅に移りました。5月からはパトロール隊に派遣で行っていました。だから、ほとんど仕事から離れたことはないですね。


230世帯500人が入る仮設街はかなり広く、住宅の作りも様々だ。

 
―お仕事の内容は
ここは230世帯、500人~550人ぐらい人がいます。正式には朝8時半から夕方5時半が勤務時間ですが、8時15分のラジオ体操なんかもお世話します。
ここでの仕事は、支援物資や広報誌の配布から、イベントの割り振りまでいろいろやります。今は凍結の苦情が多いのでそれは県につなぎます。一人暮らしの方への声掛け、病人のお世話、それに新しい家電の使い方がわからないとか、カーテンが壊れたとかの苦情もあります。ここはお年寄りも多いし、車を運転できない人もいますから。

田村さんがお仕事をされている管理棟。仮設住宅での困り事を相談しに、多くの人が訪れる。

―お仕事は楽しいですか
やりがいはあります。もともと木を相手にしていましたが、人とのコミュニケーションはとれますし、適応しやすいタイプだと思います。なんでも苦にならないし、やってみてだめならだめで…、まあ、まずはやってみましょう、という感じ。
―苦手に感じることは
何が苦手か考えたことはないですね。あえて言えば、高いところは嫌ですけど。あんまり困ったということはない。
―仕事についていない人になにか一言を
復興、復興、とよく言うけれど、私は、復興とはインフラ整備でなく、一人ひとりが働くことだと思います。それぞれが仕事につけば復興できると。たとえお年寄りでも畑を耕すとか、何か仕事をする、それが一番です。


管理棟に人が訪ねてくる度に、丁寧に話を聞き、情報を交換する。(一番右手が田村さん)



―お話に活気があっていいですね
よく言われます。以前、テレビ局の取材でも、もう少し暗い感じでお願いしますといわれましたが、そうはいかないと。
うちは看護学校、大学、中三と3人の子供がいます。父親がカラ元気でも元気でいればそういうものかなと思ってくれるでしょう。不安な顔をしていてはいけないと思います。いわきはお天気もいいし、空の色も明るいから、余計にいいのではないですか。
だからお年寄りと接するときも、散歩させる、ここに来ればお茶を飲ませる、とにかく引きこもらないように気を配っています。
帰りたくないという方もいます。そういう人には、帰らなくてもいいよ、と言っています。居心地がいいなら帰る必要はない。田舎の山奥で、孫も来ない、医者もいない、買い物も…。姥捨て山みたいなところに戻れという行政はおかしい。この国をここまで豊かにしてくれた年寄りを粗末にすることはない。


「いわきはお天気もいいし、空の色も明るい。不安な顔をしていてはいけない。」と明るく話す田村さん。

―これからのことについて考えていることはありますか
先を見ると不安になるから、考えないようにしています。自営していた時もそうでしたが、今の仕事をとにかくこなそうと。その中で何か見つかればその時は、ね。広野町に帰るかということは考え中。今すぐに帰る気はありませんが、そのうち家族と話し合って決めます。
いずれにしろ、もう3.11以前には絶対戻れないのです。今はとにかく、焦らずじっくり考えていくつもりです。迷った時は前に出ろ、といつも自分に言い聞かせています。まずは自分づくり、自分を立て直すこと。そして状況を見極めることが大事。それからです。焦らずじっくり行きます。

 
あくまでも前向きな田村さんの話を聞いていると、なんだか元気が出てくるような気がしてきました。田村さんの、復興とは仕事をすること、の言葉に深い重みを感じた取材でした。

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